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【シリーズ冷戦】 (7)NATO

西側の軍事同盟:アメリカを引きずり込む

 冷戦期、イギリスやフランスなど西ヨーロッパ諸国にとっては、ソビエト連邦は圧倒的な脅威でした。しかも単に脅威であるのみならず、行動に不確実性があり、いつなんどきソビエト連邦が西ヨーロッパへと軍を進めるかわからない、という恐怖もありました。そのため西ヨーロッパ諸国はこの脅威に備えなければならないのですが、自分たちは既に経済力も衰え、単独ではソビエト連邦に対抗できません。ドイツにも対抗できなかった西ヨーロッパ諸国は、アメリカを呼び込むことでなんとか第二次世界大戦に勝利を収めたほどで、既に力がありませんでした。しかしアメリカは伝統的に孤立主義の国であり、いつまたヨーロッパから手を引いてしまうかわかりません。

 そこで、1949年、西ヨーロッパ諸国はアメリカと軍事同盟である北大西洋条約を結びます。軍事同盟を結成することで、西ヨーロッパ諸国に万が一ソビエト連邦が侵攻した場合に、アメリカが参戦してこれを追い払ってくれることを確実にしたのです。さらに同盟のみならず、軍事組織としてNATO(North Atrantic Treaty Organization)をも結成してアメリカ軍をヨーロッパに駐留させることで、アメリカの参戦をさらに確実にしたのでした。

 

冷戦後のNATO:紛争への介入

 1989年のマルタ会談での冷戦終結と1991年のソビエト連邦崩壊で、NATOはその役目を終えたかに見えました。対抗する相手であったワルシャワ条約機構も解散しました。しかし、NATOは解散せずに新しい役割を獲得していきます。それが、紛争介入です。

 ユーゴスラビアでは、1992年より深刻な内戦が発生していました。これを収めるため、NATOは軍事介入します。一旦紛争が収まり、再度コソボで紛争が発生すると、NATOは再び軍事介入し、セルビアを空爆することになりました。

 アフガニスタンでは2001年の9.11テロへの報復がアメリカを中心になされましたが、その後の占領と平和構築はうまくいきませんでした。2003年にはアメリカはイラクに侵攻し、こちらの占領もすることになると既に能力は足りませんでした。そこで、アフガニスタンの占領統治がNATOに任されることになりました。

 2011年にはアラブの春という反政府デモが中東各地で起きましたが、独裁者カダフィを擁するリビアは内戦に陥りました。被害の拡大を防ぐため、NATOは介入し、カダフィを殺害しました。

 このように、冷戦終結後はNATOは新たな役割を獲得し、加盟国も拡大しています。旧東側諸国も多数NATOに加盟することになり、ソビエト連邦を引き継いだロシアでは、西側の一方的な拡大に反発があるともされています。

 

【シリーズ冷戦】については、以下からもどうぞ!

【シリーズ冷戦】 (1)ヤルタ会談

【シリーズ冷戦】 (2)ドイツ分割

【シリーズ冷戦】 (3)トルーマン・ドクトリン

【シリーズ冷戦】 (4)マーシャル・プラン

【シリーズ冷戦】 (5)コメコン

【シリーズ冷戦】 (6)ワルシャワ条約機構

【シリーズ冷戦】 (7)NATO

【シリーズ冷戦】 (8)鉄のカーテン演説

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